生活とリフォーム

住民のライフスタイルと住宅にズレが生じたらリフォームです。

新築ほやほやの住宅でもそこで暮らす住民とフィットしなければリフォームの対象になり、住民のライフスタイルに合わせて改築することになります。 これは個人単位の場合もあれば家族の人員が増減した結果、という場合もあり、雰囲気がいまいちだかけど我慢して使おう、では解決されない問題となったら間取りの変更など大規模リフォームを行うことになります。

子供がたくさんいたから家の中にすべり台を設置していたけど今では滑る年でもないし邪魔なだけだ、それよりも子供部屋を増やさないといけないな、とすべり台を撤去して大きくなった子供の為の部屋を用意するリフォームもよくありますし、子供が産まれる前、子育ての時期、巣立っていった後では最適な間取りは全く別の形になるので、家族構成の変化が原因のリフォームは避けては通れない問題です。 住人のライフサイクルが変化したらそれに伴い住みやすい形状に変形させたり、設備を追加したり排除してより住みやすい環境に造りかえるのです。

健康な家族だけが生活する住宅なら階段や段差が多くてもそう不自由しませんが、月日が流れてお年寄りへと成長したらあまりに段差が多い住居は怪我の原因にもなるので好ましくはありません。 つまづいたり転んだりするのを防ぐためにバリアフリーにリフォームするなど、時代に合わせて変化させないと素敵なホームとは呼べません。 このような生活に合わせての増改築は建物や設備の老朽化とは無関係に行いたくなるので、全く違う理由とタイミングで欲求が生まれるのですがそれぞれを別々に行うのは効率の面であまり良くはありません。 一度にまとめてやってしまったほうがトータルの費用が少なくなるのなら、時期を合わせて同時に行ったほうがいいことを覚えておきましょう。

老朽化した部分を修繕するついでにその辺りをバリアフリー化したり、古いキッチンを新しいシステムキッチンと交換するついでに浴室や脱衣所を冬でもそんなに寒くないようヒーターを導入したり、関連性のある箇所はまとめて1回で済ますのです。 外壁塗装なんかはペンキを塗るのに足場を組みますが、塗り終わったら撤去されるその時だけ作業員の行動を助ける道具です。 それではもったいないので、耐用年数がもう1年はありそうでもその足場を使って修繕できるものがあればついでにやってしまったほうが結果的に安上がりになります。 そうやすやすと足場を組んだり撤去する機会はやってきませんから、せっかく組んだそれをもっと利用して足場代を有効活用するわけです。 洗濯物を干しやすいようにベランダの屋根を大きくしたり、古くなってきたけどもう1年はそのままでも大丈夫そうな雨どいの修理など、足場がなければ作業がしづらい工事を一気にやってしまうのです。 思いつくたびに、寿命がやってくるたびにそれぞれの部分だけをリフォームの対象にしていては、毎年1回以上どこかを修繕するような落ち着かない住宅で生活をすることになってしまいます。

不便なことこの上なし、しかも費用も多くかかるので効率は最悪でしょう。 それぞれを単独でみればリフォーム時期もバラバラにやってくるので、計画性がないとそんな状況になってしまいますがはっきり言ってお金と時間の無駄です。 近いタイミングで修繕の必要が発生する部分は、それが老朽化によるものでもライフサイクルの変更に伴うものでも、タイミングを合わせて一度にまとめるのが合理的なのは中学生にでもわかることです。 老朽化や腐敗が絡むリフォームはあまり延期するわけにはいきませんが、多少早めに他の箇所と時期を合わせる分にはさほど損失はありません。 それどころかトータルではお得になるでしょう。

なのでこれから数年の間にどこを修繕することになるか、どんな要望が出てくるかを考えて無駄のない補修工事を計画することが大切です。 むしろ生活スタイルの変化によるリフォームは老朽化が原因の工事の時期に合わせてしまえば手間もかかりません。