マイホームのリフォーム

リフォームのタイミングによって成功するか失敗か決まる?

住宅は同じ所有者が何十年も使うことになる、長期間使用する数少ないアイテムなのでメンテナンスを欠かすことはできません。

自動車やオートバイならちょっとおかしい箇所があっても次の車検まで騙し騙し使ってみよう、と誤魔化しも通用しますが、住宅でそれをやろうとすると10年間不便なまま生活することにもなりかねません。 電球が切れたらその日にでも交換しないと部屋が暗黒に染まってしまいますし、壁に穴があいたらそのままでは冷たい風が吹き込んできたり、雨が家の中へ入ってきて風邪をひいてしまうかもしれません。

そうしたことを防ぐためにもまめにチェックをして必要ならメンテナンスを施し、大きく改装したり修繕するのならリフォームをすることも考えます。 住宅の中で快適な生活を送れるよう、修繕することが住居人の義務にもなります。 キッチンなどの水まわりは15年も使えば不具合が出てきて使いにくくなるので、それまでにはリフォームすることになります。

リビングや寝室を守ってくれる外壁は、10年も雨風にさらされるとボロボロになってくるので塗装をするなどして対応します。 その時期を逸して万全でない状態で粘っていると、塗装が剥げ落ちた部分から内部に雨水が侵食して住宅を内側まで蝕んでいくこともありますし、わかりやすい現象だと雨の日に天井から雨漏りがすることも考えられます。

そうした不具合を極力抑えるためにも事件が起こる前の早めの対処が大切ですが、あまり用心深く短いサイクルでメンテナンスやリフォームを繰り返すのは経済的にきつくなってきますので、やりすぎもよくありません。 「半年前に外壁をリフォームしたけど夏の間に日に焼けてペンキが少し色褪せた。 念のため次の夏が来る前に、春にでも外壁塗装をしとこうか」と呟くのは勝手ですがそれを実行に移すのなら数十万の出費となり、仮に毎年の恒例行事とするのなら十年間で数百万円もの塗装代が必要な計算になります。 でも必要最低限の塗装で済ませるのならその10年で1回でもよっぽど問題はありませんので、費用は10分の1の数十万円に抑えることができます。 その差はなんと数百数十万円、これは自動車とバイクをセットで新車で購入することができそうな大金です。

リフォームのタイミング次第でこれほどの差が生まれるのなら、誰だって慎重にその時期を選ぼうと考えるのが自然の摂理でしょう。 ここで「回数が少なければ少ないほど費用は少なくていいんだし、今から10年後の予定としてそれまではノータッチと決心した。ちょっとディーラー行ってくる」とはるか未来の計画を先走って決めてしまうのは間違いです。 何故かというと、一般的な目安が10年としても環境や個体差によって消耗や劣化のスピードがそれぞれ違ってくるからです。 直射日光を激しく浴び続ける立地なら9年で外壁塗装をするのがベストなタイミングになるかもしれませんし、逆に穏やかな風の吹く優しい環境なら12年はそのままでも大丈夫な場合もあるからです。

遅すぎると家屋のダメージが甚大になり大掛かりなリフォームで修復せねばならなくなるかもしれず、早すぎたら今度は2年分の費用を損することになります。 なのであまり単純に早々と計画を立てるのは感心できないのです。 計画性を持って住宅を守ることは良いですが、間違った立て方ではアウトです。 目の前の現実を見て、それまでの修繕履歴も把握してその建物に適した時期を見極めることが家主には求められますので、その覚悟を持てぬようなら注文住宅を建てたり建売住宅を購入するのはやめて、デザイナーズマンションやアパートのような集合住宅での生活を目指した方がいいでしょう。 リフォームはいつやるか、これが無駄なく的確に判断できるようになれなければ、その住宅の繁栄は期待ができません。